5月9日に「青年リーダー100人会議in珠洲」が行なわれました。
能登里山里海マイスターネットワークが主催した、他団体とつながり能登の未来について一緒に考えていこうという会です。
今回は珠洲市青年団、珠洲青年会議所、珠洲ロータリーアクトクラブという団体と合同で開催されました。
この会の主題はズバリ「人口減少社会」です。
能登では過疎化が進み、人口減少が深刻な問題になっています。
私が里山里海マイスターの課題で聞き取り調査に行った集落にも、9割が80歳以上という集落がありました。
この集落ではまだ自給自足の生活が残っていたのですが、このままだとこの集落も10年後まで残っているかどうか・・・
これは、「能登の生活様式の多様性の喪失」だと思うのです。
資本主義の下で主流になっている生活様式とこの集落の生活様式の最大の違いは、お金中心の生活か、自然の恵みを直接受ける生活かということだと思います。
私たちはお金で食材を購入しますが、この集落の人たちは、裏山から山菜を採り、自米や豆や野菜を自分で栽培しています。
自然の恵みを直接受けるためには、手間と知恵が必要です。
お金はあまりかかりませんが、儲かることもありません。
ですので、手間がかかるけれども儲からないこのような生活様式は、資本主義の下では成り立たちません。
だからこそ、この集落も廃れてしまっているのだと思います。
都会ではこのような自然の恵みを直接受けるような生活様式を成立させることは非常に難しくなっていると思います。
しかし、能登ではまだまだこのような生活をする余地があります。
だとすると、能登が経済的に発展して、都会にはない生活様式が廃れてしまうことは、能登の優位性を損なうことになるのではないかと思うのです。
能登の優位性がなくなれば、より人口が多く、経済規模が大きく、便利な都会に敵うわけがありません。
だとすれば、能登の生き残る道は、生活様式の多様性を守ることにこそあるのではないかと思います。
このような側面から人口減少社会を見てみると、あながち悪いことばかりではないような気がします。
人口が減れば、一人当たりの自然の恵みは増えます。
私が参加している「自然栽培の里@のと」も人口減少の恩恵を受けています。
能登では担い手が減り、高齢化することで、耕作放棄地が増えています。
つまり、人口減少によって耕作放棄地を借りやすい状況になっているわけです。
あとは、自然の恵みを受けるための知恵を身につけ、手間をかけることができれば、自然の恵みを直接受けることができます。
資本主義の価値観でみると、能登は衰退していく地方なのかもしれません。
でも、ちょっと違う角度からみれば、能登は自然の恵みがたくさん眠っている宝の山なのかもしれません。
そんな見方ができる人たちが、「青年リーダー100人会議in珠洲」をきっかけとして、つながり、話し合い、協力していく場ができたら、きっと能登は面白くなるだろうなぁと思います。