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こんにちはDr.Kwanです。 日本では某大学病院で消化器内科医として診療してきましたが、2010年よりシンガポールにて内科医をしていました。2013年より日本に帰国し、能登で半医半農生活を始めました。 以前から栄養に興味があっていろいろ学んできましたが、普段の食事が健康にとても大事なこと、私たちの食習慣が知らない間に不健康なものになってきていることに気付きました。 これから、栄養について究め、どんな食事を摂るべきかについて皆様に伝えることで、少しでも多くの人を健康にすることができれば・・・と思っています。

医学と栄養学に欠けているもの

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      前回の記事で、「医学部で体の材料になる栄養について学ばないのはおかしい」と書きましたが、同じことが栄養学にも言えるのではないかと思います。

     

    食べ物の材料になる他の生物や土壌、空気、水、エネルギーについて学ばないのはおかしい!!

     

    そして、調べてみると土壌の中の微生物のことなどは、意外とわかっていないことだらけなのです。

     

    栄養学にしても、医学にしても、人間の自分勝手な視点からしか見れていないのが問題なのではないかと思います。

     

    人間は多くの生物の活動に支えられてはじめて生きてゆくことができます。これは、私たちの体をつくっている成分がどのように循環しているのかを辿っていくだけでもわかります。

     

    それなのに、私たちは病気について狭い視点でしか見ていないのではないかと思うのです。

    とりあえず、私たちの体が作られる材料がどのようにできていて、どこかに問題がないだろうか?と考える視点はないのです。

    だから原因がわからない病気が出てくる。


    医学には、「私達人間を支えてくれている生態系ごと健康にする」という視点が必要なのではないかと思うのです。

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    病気と栄養

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      いきなりですが、医学部には栄養学講座がありません。

      生化学や生理学で少し栄養に関連したことは習いますが、系統立てて栄養学を学ぶ機会はありません。
      いや、学生の頃はあまりマジメとは言えなかったので、他の教科もろくに勉強はしてなかったけど・・・

      でも、まじめな人ほど学んだことに疑問を持たずに鵜呑みにしてしまうんだと思います。

      僕は疑い深い性格なので、「体の材料になる栄養について考えていないのはおかしい!!」と、考えてしまいます。
      そこで、今ごろになって独学で栄養についていろいろ調べている訳です。

      いろいろ調べてみると、今の経済的に豊かな国の食事はたいてい、ミネラルやビタミンが不足していて、エネルギーが過剰で、有害物質にさらされるリスクが高くなっていると思います。

      ということは、それぞれに対応した病気があるんじゃないか?という気がします。

      エネルギー過剰では、糖尿病や脂質異常症など実際にある訳ですし、和歌山県の牟婁地方ではミネラルのアンバランスからALSの発症が明らかに多かったようですし、セレン欠乏による克山病という病気があります。

      でも、実際にはよく解っていないものの方が多いのではないかと思います。

      こういう視点から、病気について見直してみても良いんじゃないかなぁと思うのです。
      特に先進国で増加傾向にあり、根本的な原因がよくわかっていない病気については・・・

      そして、病態がわかれば、適切な栄養や有害物質の除去などで治療できる可能性があるのではないかと思うのです。

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      農薬の害

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         農薬の害というと、人間に対する直接被害ばかりが取り上げられる傾向にあるような気がします。

        しかし、栄養について学んでみると私達は生態系の一部であり、多くの生物の活動がなければ様々な栄養素を人間が使える形で摂取できないことがわかってきます。

        と言うことは・・・

        農薬などにより生態系を乱すことにより、私達が必要としている栄養素も十分摂れなくなる可能性があるかもしれません。

        この地球上では、様々な生物がそれぞれの役割を果たしながら生きています。そして、生物の活動を通して、様々な物質が循環しています。

        農薬などで生態系を乱すことによりこの循環が断ち切られれば、当然人間にもその反動は返ってくるでしょう。

        私達を支えてくれる生態系も含めて守ってゆくことを考えないと、結局は人間自身が健康に生きていけなくなってしまうと思うのです。

        つまり、農薬の最大の害は私達を支えてくれている生態系を乱してしまうことだと思うのです。
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        Cacaoを見てきました。

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          カカオの木があるというウビン島に行ってきました。

          ウビン島はシンガポールの北東の島で、手つかずの自然が残っているのんびりした島です。
          上陸後、家族みんなで自転車を借りてサイクリングしてきました。

          船着き場のまわりのお店があるゾーンを抜けてすぐにカカオの木がありました。
          カカオの実
          こんな感じで幹から直接実が出ています。

          こんな実が何個もできています。
          カカオの木
          黒いのが多いですが・・・

          カカオビーンズは種なので、この実の中に何十個か入っているはずなのですが、落ちている実を見てみると全て空洞になっています。
          誰か収穫してるんでしょうか?

          木についているものも・・・
          カカオの穴
          こんな感じで穴があいていて中身がなくなっています。
          果肉を食べる鳥とかいるのかなぁ?

          しかし、幹から直接実が出てくるなんて面白いと思っていたら・・・

          こいつも幹から直接出てきてました。
          ジャックフルーツ1ジャックフルーツ2
          ジャックフルーツです。

          今まで、お店に並んでるのしか見たことなかったけど、こんな風にできるんだ!!
          不思議です。

          他にもドリアンやバナナもあるし、サイクリング中に大トカゲとかイノシシにも会えたし、
          何より森の生態系が豊かそうです。
          土の上に、枯れ葉やヤシの実が沢山積もっていて、虫も沢山います。いろんな種類の植物がいて、なんとなく心地良いです。

          実家のまわりの田舎と波長が似てて落ち着くのでまた行くと思います。
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          食糧生産の問題

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            今、少し食糧生産の問題について調べているのですが、農業にしろ、畜産業にしろ、魚の養殖にしろ同じようなパターンの問題があるような気がします。

             

            まず、経済発展によって需要が増加すると、どの分野でも大量生産・効率化が進められることになります。

            相手が機械であれば、大量生産・効率化も良いかもしれません。しかし、私たちの食糧になるのは生物です。生物には生物の理があるのです。

             

            この理を無視して、肥料を大量に投じたり、成長を促進させる薬剤などを使用すれば、当然対象の生物はどこかおかしくなります。

            そして、病気になりやすくなります。

             

            すると、効率よく収穫を確保するためには農薬や抗生剤などの薬剤を使って病気を防がなければならなくなります。

             

            しかし、農薬は植物のまわりの生態系を破壊します。

            植物は様々な栄養素を他の生物の活動に頼っています。

             

            例えば、菌根菌というカビの一種は植物の根と共生して、根が届かないところにまで菌糸を伸ばし、様々な栄養素を植物に渡す代わりに、植物が合成した有機物をもらっています。

            他にも様々な生物がそれぞれ自分の役割を果たすことで、それぞれの生命を支えているのです。

             

            しかし、農薬はこの生態系を破壊してしまいます。

            そうすると、植物を支えている生物もいなくなり、植物はますます弱くなります。

            すると、さらにお薬が必要になってきます。

             

            抗生剤も共生している菌をやっつけてしまうことで動物の抵抗力を弱めます。

            そして、さらにお薬が必要になると言う悪循環に入ります。

             

            このように考えると、どの分野でも食糧生産の現場には同じ問題があるような気がします。

             

            そして、このようにしてつくられた食事を食べることで、人間にも影響が出て来ているのではないか?という気がしています。

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            農薬

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                肥料に続いて農薬についてです。

               

              農薬にもいろんな種類があるようです。農林水産省のHPには農薬コーナーがあります。http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tisiki/tisiki.html#kiso1_1

              ここには、殺虫剤・殺菌剤・殺虫殺菌剤・除草剤・殺鼠剤・植物成長調整剤・誘引剤・展着剤・天敵・微生物剤があげられています。

              殺鼠剤まではなんとなく農薬としてイメージありますが、植物成長調整剤からは農薬って言うイメージではありませんよね。

               

              植物成長調整剤は根の伸長促進・発根促進、伸長抑制による倒伏軽減、発芽率の向上、着果増進・果実の肥大促進、無種子化などを目的として使われます。

              植物ホルモンやその拮抗物質が多いそうです。

               

              誘引剤は主として害虫をにおいなどで誘き寄せる薬剤と出ています。

              ゴキブリホイホイ的なイメージなのでしょうか?おびき寄せて他の農薬でやっつけるパターンです。

              検索すると「ハチクール」なるそのままなネーミングのものもあります。これは、害虫の天敵となるハチをおびき寄せ害虫を退治してもらおうというものらしいです。どちらかというと後で出てくる天敵に入るかもしれませんが。

              ちなみに「ハチゲンキ」なる商品もあるそうです。

               

              展着剤:ほかの農薬と混合して用い、その農薬の付着性を高める薬剤。

               

              天敵:農作物を加害する害虫の天敵。

              これは農薬なのでしょうか?

               

              微生物剤:微生物を用いて農作物を加害する害虫病気等を防除する剤。

              これは、人間で言うとビオフェルミンみたいなものかなぁと思っていました。

              しかし、害虫に対する病原菌だったり、抗菌物質を産生するものなどらしいので害虫にとっては生物兵器みたいなもんでしょうか。

               

              いろんな種類があるもんだと感心します。

               

              土壌消毒と言って土壌に有毒なガスを発生するお薬を入れて根こそぎやっつけるっていうのもあるらしいです。

               

              農薬の使用量も調べてみましたが使用量はあまり統計取られてないようなので、出荷量を見てみると、一年に日本で26万トンくらいの農薬が使用されているようです。

               

              日本と韓国が単位面積あたりの農薬の使用量で世界の2トップになっています。

              中国の農産物が危ないとか言うけど、日本の農産物も相当危険なんじゃないかと思います。

               

              農薬の問題は直接の人体への影響よりも、私たちを支えてくれる生態系を乱すことにあるのではないかと思います。必要がないのなら使うべきではないと思います。

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              肥料の害

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                今は、食糧生産の問題ということで、農業について勉強中です。

                 

                今まで何も知らずに「農薬が悪者なので、オーガニックのものを食べていれば安心」と思っていたのですが、有機肥料だとしても過剰に与えると問題だということがわかってきました。

                 

                まず、肥料を与えすぎると、植物があまり根を張らなくなります。

                すると、ミネラルの吸収が十分できなくなり、病害虫に弱くなったり、台風が来るとすぐに倒伏してしまいます。

                 

                また、外から余計な窒素(肥料)を大量に投入することで土の中の生態系が変化します。

                その影響で、土の中の微生物は減少し、土の状態も悪くなります。

                 

                肥料過剰になると、作物の中に硝酸態窒素が高濃度で残ります。

                この硝酸態窒素が腸内細菌の作用で亜硝酸態に変換され、肉や魚に含まれる2級アミンと結合すると、ニトロソアミンという発ガン性のある物質ができるそうです。

                 

                また、亜硝酸はヘモグロビンの鉄を酸化し、酸素を運べない状態にしてしまいます。(メトヘモグロビン血症)

                乳児のブルーベイビー症候群は亜硝酸によるメトヘモグロビン血症なんだそうです。

                 

                また、肥料の元になっている家畜の糞がすでに汚れてしまっていれば、有機でも化学薬品まみれになっている可能性もあります。

                 

                さらに、硫酸アンモニウム(化学肥料)を大量に投入すれば、硫酸が残り土壌が酸性化していきます。

                pHを調整するために石灰などを投入すると、石灰がセメントのように固まって硬盤層ができます。すると、植物は深く根を張ることが難しくなってしまいます。

                 

                という訳で、ざっと肥料過剰による害についてまとめてみました。

                農薬だけでなく、肥料も(たとえ有機肥料だとしても)過剰は良くないみたいですね。

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                ハーバー・ボッシュ法

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                    以前窒素固定についてこのブログでも書いたことがありますが、微生物の中には空気中の窒素をアンモニアに変換することができるやつがいて、そのおかげで私たち生物はタンパク質を合成できるようになっていたわけですが・・・

                   

                  しかし、人間は他の生物の力を借りずに化学的に空気中の窒素からアンモニアをつくる方法を生み出しました。

                  それが、ハーバー・ボッシュ法です。

                   

                  この方法を開発したことにより、第一次世界大戦でドイツ軍は十分な爆薬を作ることができました。

                   

                  そして、化学肥料として植物が使える形で窒素を供給できるようになりました。

                   

                  いまでは、ハーバー・ボッシュ法が窒素固定の最大の源となっています。

                   

                  つまり、世界の人口がこれだけ爆発的に増えることができたのもハーバー・ボッシュ法のおかげですし、ハーバー・ボッシュ法がなければ多くの人が飢死しなければならないことになります。

                   

                  そして、おそらくハーバー・ボッシュ法が出てきたことが食事と健康にも大きな影響を及ぼしているのではないかと思うのです。


                  ハーバー・ボッシュ法によって化学肥料の形で窒素が供給され、農作物が増産されることになりました。

                   

                  しかし、これを人間に当てはめて見るとどうでしょう?

                  人間も白米や砂糖ばっかり一杯食べていると糖尿病など生活習慣病になりやすくなります。

                  植物もやたらと肥料を与えられれば、健康な状態を保つことは難しいでしょう。

                  きっと、植物も化学肥料によって生活習慣病になっているんじゃないかと思うのです。

                   

                  肥料でさし当たって必要なものが与えられれば、がんばって深く根を張る必要がなくなります。甘やかして育てるとろくなことはありません。

                  窒素分をたっぷり含んだ植物は、害虫と呼ばれる虫たちにとっても美味しい物でしょう。

                  そして、窒素分が外からつぎ込まれることで、生態系も変化します。

                   

                  それで、病気に弱くなれば、農薬も必要になります。

                   

                  農薬に虫や微生物がやられてしまうと、肥料で窒素やカリウムやリンは与えられても、他のミネラルなどの循環が断ち切られるであろうことは、容易に想像できます。

                   

                  おそらく、私達が食べる植物も肥料で与えられる成分は十分あっても、ミネラル分などは少なくなることが予想されます。

                   

                  そして、私たちはこうしてできた農産物をさらに精製・加工して食べているのです。

                   

                  こう考えると、今の食事で病気にならない方がおかしいんじゃないのか?という気がしてきました。

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