以前に清涼飲料水についての記事を書きましたが、その清涼飲料水に入っている甘みのもとが果糖ブドウ糖液糖です。
何それ?砂糖じゃないの?という感じですが、砂糖より安くシロップみたいなものを作っています。(砂糖の7割ぐらいの価格だそうです。水に溶かす手間も省けますね。)
原料は、トウモロコシ・ジャガイモ・さつまいもなどから作ったでんぷんです。
トウモロコシから作ったでんぷんはコーンスターチと呼ばれます。
コーンスターチは原料のコーンをつぶしやすくするために、温めた亜硫酸に浸します。
軟らかくなったコーンを荒く砕いて、胚芽の部分を比重差を利用して取り除きます。
さらに砕いて、外皮をふるい分けます。
残った乳胚液を遠心分離にかけることによりタンパク質を分離します。
さらに水洗いをして、余分なものを取り除きます。
こうしてコーンからほぼ純粋なでんぷんが取り出されます。
このでんぷんに水とαアミラーゼという酵素を入れて、95℃位で加水分解して液状にします。
その後55℃位に冷却してグルコアミラーゼという酵素を入れて、ブドウ糖まで分解します。
さらに60℃位でグルコースイソメラーゼという酵素で、ブドウ糖の一部を果糖に変換します。
さらに精製・濃縮して、果糖42%のブドウ糖果糖液糖ができます。
ここに、クロマトグラフィーという分離装置で分離した果糖液(果糖の方がブドウ糖より甘いのです。)を加えて、お好みの濃度に調整し果糖ブドウ糖液糖ができます。果糖55%で砂糖(ショ糖:スクロース)とほぼ同等の甘さです。
こうしてできた果糖ブドウ糖液糖の何が問題なのでしょう?
まず、吸収が速すぎるというのが大きな問題点です。
でんぷんを食べた際には、唾液や膵液中のアミラーゼででんぷんが麦芽糖に分解され、小腸の粘膜にあるαグルコシダーゼという酵素でブドウ糖に分解され、即座に吸収されていきます。
果糖ブドウ糖液糖は、そのままの形で吸収されますのでものすごく吸収が速いのです。
そうすると、血糖値が急激に上昇し、インスリンが大量に分泌されます。
こういうことが何回も続くと、血糖の調節が上手くいかなくなって、糖尿病などの原因となります。
難しくなりましたが、要するに吸収が速くて血糖が急激に上がるので体に悪いのです。
また、ブドウ糖は他の腸内細菌もすぐに使える形なので、悪い腸内細菌が増える原因になっているかもしれません。
果糖ブドウ糖液糖は清涼飲料水や、缶詰、お菓子、アイスクリームなど身近なところにたくさん使われており、知らないうちに摂りすぎている傾向があります。
極力摂らないように気を付けましょう。