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プロフィール

こんにちはDr.Kwanです。 日本では某大学病院で消化器内科医として診療してきましたが、2010年よりシンガポールにて内科医をしていました。2013年より日本に帰国し、能登で半医半農生活を始めました。 以前から栄養に興味があっていろいろ学んできましたが、普段の食事が健康にとても大事なこと、私たちの食習慣が知らない間に不健康なものになってきていることに気付きました。 これから、栄養について究め、どんな食事を摂るべきかについて皆様に伝えることで、少しでも多くの人を健康にすることができれば・・・と思っています。

食品添加物

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    今回は安部司さんの「食品の裏側」を読んでみました。

    この本は食品添加物について一般の人にもわかりやすい言葉で説明してくれています。

    添加物の本の中では、ダントツでおもしろく、読みやすい本です。

     

    日本人が摂取する添加物の量は、一日平均10gだそうです。

    こんなに摂っているとは思っていなかったのでビックリです。

     

    そして、私たちはその食品添加物から様々なメリットを受けています。

    1. コストを抑えられる。

    2. 保存性を良くする。

    3. 調理が楽になる。

    4. うまみを付けられる。

    などなど

     

    逆に言えば、添加物の無い生活をするためには、

    1. コストがかかる。

    2. 保存が利かない。

    3. 調理に手間がかかる。

    4. 加工食品に比べて味が薄い。

    などのデメリットを受け入れなければならないということです。

     

    うちでは、嫁さんが頑張って添加物の少ない料理を作ってくれていますが、大変そうです。

     

    みそ汁をつくるにしても、煮干しを買ってきてだしをとらなきゃいけません。

    「ほんだし」を使えば一瞬ですが、添加物はたくさん入っています。

     

    少なくともうちでは、多少の手間をかけてもなるべく添加物を摂らない方向でいこうと思います。

     

    そして、極力添加物を摂らないようにしてから味覚が変わってきていることに気が付きました。外食時に、以前は普通に食べていたものが、くどく感じられるのです。

    食品添加物で強い味に慣らされてしまうことも、栄養が乱れる原因のひとつになっているのではないかと思います。

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    窒素について

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      私たちは生きるためにタンパク質を必要としています。

       

      タンパク質はアミノ酸がたくさんつながったものです。

      そして、アミノ酸の特徴はというと・・・

      アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が、くっついていることです。

      このアミノ基には窒素(N)が含まれています。

       

      今回はこの窒素について考えてみましょう。

       

      空気の78%は窒素ですから、空気中にはたくさんの窒素があります。

      また、地殻の中にもたくさんの窒素があります。

       

      しかし、私たちはこの窒素からアミノ酸を合成することはできません。

      そこで、私たちは食べ物からアミノ酸を摂っています。

       

      エネルギーは植物が太陽の光を化学エネルギーに変換してくれたものを使っていましたが、植物も窒素を直接使うことはできません。

       

      では、誰が窒素を使える形にしてくれているのでしょう?

       

      実は細菌の中に窒素固定菌というヤツがいて、空気中の窒素を植物が使える形にしてくれています。

       

      植物の中にはこういう細菌と共生するものもあります。

      マメ科の植物が有名で、根粒菌という菌を根(根粒)に飼っており、栄養分を提供する代わりに窒素化合物をつくってもらっています。

       

      私たちが生きていくためには、太陽や植物だけでなく、細菌も必要だったのです。

       

      人間の腸内細菌の中にも窒素を使えるやつがいて、パプアの人達(だったと思うのですが・・・)はイモしか食べないのに、この菌がタンパク質を作ってくれるおかげで、筋骨隆々になっていた。という話を大学生のときに読んだことがあります。(うろ覚えです。すみません。)

      意外と私たちの腸内細菌の中にもタンパク質を作ってくれるヤツがいるのかもしれません。

       

      自然界ではこうして窒素は利用されてきたのですが、これを工業的に行ったのが化学肥料というわけです。

       

      今では莫大な量の化学肥料が使われており、その影響が懸念されているようです。

      どのような影響があるのかについては、これから勉強していきたいと思います。

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      体が使うエネルギー

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          福島原発事故以降、私たちはエネルギーの再考を迫られています。

        私は原発反対です。

        太陽光・風力・地熱・潮汐発電などの自然エネルギーにシフトしていくべきだと思います。

         

        しかしこのブログは栄養のブログですので、ここでは私たちが生きるために使っているエネルギーについて考えてみたいと思います。

         

        私たちが活動したり、体の成分を新しく合成したりするために必要なエネルギーは、どこから来ているのでしょう?

         

        私たちは、食べ物(の中の糖や脂肪やたんぱく質)を酸素で酸化することでエネルギーを取り出しています。

         

        人間は雑食ですので動物も植物も食べます。でも、肉食動物は草食動物を食べ、草食動物は植物を食べていますので、結局元をたどると植物が作ったエネルギーを使っていることになります。

         

        植物はどうやってエネルギーをつくっているかと言うと、太陽のエネルギーを光合成により化学エネルギーに変換して、様々な有機物を作っています。

         

        つまり、我々人間は植物が化学エネルギーに変換してくれた太陽エネルギーを使うことでエネルギーを得ています。

         

        そして、人間がエネルギーを使った残りかすの二酸化炭素や水は再び植物が炭水化物を合成するために使われます。

         

        こうしてうまく回っている訳です。

         

         

        私たちは、もっと太陽や植物に感謝するべきかもしれませんね。
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        OPC

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          OPCはフランスのジャック・マスケリエ教授が見つけた物質です。

          日本ではあまり知られてはいない様ですが、ビタミンCの働きを助け、結合組織を安定化させる作用、コレステロールを低下させる作用、かなり強い抗酸化作用、抗炎症作用、虫歯予防にも有効などさまざまな作用を持つ物質です。

          ピクノジェノールとかレスベラトロールとも呼ばれます。

           

          フランス人が飽和脂肪酸をたくさん摂っているのに虚血性心疾患が少ないという「フレンチパラドックス」の原因となっている物質ではないかと言われています。

           

          OPCは、カテキンのオリゴマー(カテキンが2〜3個重合したもの)です、もっとたくさん重合したものはタンニンと呼ばれます。

          ぶどうの皮や、松の木の皮、種の表皮などに多く含まれていて、渋い味がします。

           

          最近OPCのサプリメントも出てきているようですね。

           

          以前ご紹介した家森先生の「究極の長寿食」でも、長寿の人たちは果物を皮や種まで全部食べると書いてありましたが、この物質をきちんと摂っていたので虚血性心疾患や脳血管疾患の発症が減っていた可能性があるのではないかと思います。

           

          是非食事に取り入れていきたい物質です。

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          みどり共同購入会

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            前回の記事で、「生産者や業者が食べる人達のことを考えて生産し、しかも経済的に十分成り立つという仕組み」というのが出てきました。

             

            私はシンガポールに来る前は石川県金沢市に住んでいたのですが、富山県〜石川県の一部に「みどり共同購入会」(http://www1.coralnet.or.jp/midori-k/index.html)というグループがあり、ここに入会してお世話になっておりました。

            おかげ様で、うちの子供たちはすこぶる元気です。

             

            みどり共同購入会の商品はどんな方が作ったものかもわかりますし、たいてい購入会が仕入れて配達していますので流通過程も明らかです。

             

            ですので、安心して食べることができます。

             

            また、生産者の方々と交流できるイベントなどもあります。(日本にいた頃は忙しくてまったく参加できませんでしたが・・・)

             

            こういう試みは、安全でおいしい食を作ってくださる生産者の方々と、意識の高い消費者をつなぐ面白い活動だと思います。

             

            この仕組みは、お金儲けを優先させれば成り立たなくなります。

            生産者の方々は、お金持ちになることよりも消費者に喜んでもらうことに生きがいを感じ、消費者も多少コストはかかっても安心して食べられる食材を選び、生産者の方々に感謝する。こういう気持ちが双方になければ、成り立たないと思います。

             

            こういう活動が活発になれば食の安全の問題も解決するのではないかと思うのです。

            そしてこういう活動の原動力は「一人一人が食に関心を持つこと」です。

             

            これから、こういう活動を少しでも応援できれば良いなぁと思っています。

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            焼肉酒家えびすの食中毒事件

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              僕の地元の焼肉屋さんでユッケを食べた人たちが、病原性大腸菌による食中毒で亡くなるという事件が起こっているそうです。

              えびすの社長の会見に対する批判もあります。

              悪いのはえびすだ、いや卸した大和屋だとか、精肉業界の根深い問題とか、政府が規制しなかったのが悪いとか、いろいろ言われているようです。

              しかし、この問題こそ資本主義の弊害によるものだと思います。

               

              えびすの立場から言えば、株式会社である以上利益を求めなければいけません。

              そして、他社との競争がある以上、利益を上げるためにより安く仕入れようと努力することが必要です。

               

              卸の大和屋からすれば、競合相手より有利な条件を提示することで、より多くの顧客を獲得しようという行動は資本主義である以上ある程度は止むを得ません。

               

              しかし、食べ物は人間が食べるものであり、消費者の安全を守る必要があります。

              しかし、安全を守るにはコストがかかります。ここにジレンマが生じます。

               

              業者の側には「消費者の安全を守らなければならない」というモラルが必要です。

              しかし、他社との競合が激化してモラルに気がまわらなくなったのでしょうか?

               

              個人的には、食の安全を守るために必要なことは省かないように規制が必要だと思います。

              でも、原発の問題でもわかるとおり、今の政府は信用に値しません。

              かといって、政府のほかに規制する機関もない。

               

              では、どうすればいいのか?

              生産者や業者が食べる人達のことを考えて生産し、しかも経済的に十分成り立つという仕組みをつくらなければならないと思います。

              しかし、これはなかなか難しい問題です。

               

              まず、こういう仕組みをつくりたいと思う人が集まって小さくてもいいからコミュニティーを作ることは可能です。実際に食についての意識の高い人達が集まってこういうコミュニティーが成立しているところもあります。

              それができれば、少しずつ拡げていけば良いのです。

               

              私達一人一人が、自分たちの食事や健康について他人任せにせずに考えて意識を高めていくことが、そしてお金に振り回されない価値観を持つことが、このような事件をなくす良い方法なのではないかと思います。

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              断食と脳

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                断食についての本を何か読もうということで、うちにあった山田豊文著「脳がよみがえる断食力」を読んでみました。

                 

                その中で、断食のメリットとして脳がケトン体をエネルギー源として使うようになるとα波が良く出るようになり、頭が冴えるようになるそうです。

                 

                脳は普段はブドウ糖をエネルギー源として使っているのですが、飢餓時にはケトン体も使うことができます。

                本当にケトン体が出るとアルファ波が増えるのかどうかはわかりませんが、飢餓時には捕食の機会を逃さないように頭の働きが良くなるのは合目的的であるような気もします。

                 

                おもしろそうだし、文献も探ってみようと思いますが、自分でやってみる方が実感出来て大事かなぁとも思うので、夏休みに家族が日本に帰国して一人になる間に一週間ぐらい断食をしてみようと思います。

                百聞は一見に如かずですよね。

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                発芽玄米

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                    私たちが普段主食として食べているお米。

                  皆さんはどんなお米を食べていますか?

                   

                  多くの人が食べている白米は、籾殻を取っただけの玄米からさらに精白して胚芽やぬかの部分をとったものです。

                   

                  しかし、この胚芽やぬかの部分にビタミンやミネラル、食物繊維などの大切な栄養素がたくさん入っています。

                  わざわざ捨てるのはもったいない。

                   

                  じゃ、玄米にすれば良いかと言うと・・・

                   

                  白米よりも玄米の方が栄養の面から見てもかなり優れているのは間違いない。

                  でも玄米にも少しだけ弱点があります。

                   

                  玄米の弱点とは、

                  1.      食感が悪い。

                  ぬか部分には食物繊維が多くいので硬く、ぼそぼそした食感になります。

                  2.      ミネラルの吸収を阻害する可能性あり。

                  玄米に含まれるフィチン酸(IP6)がミネラル類を閉じ込めてしまい吸収しにくくなる可能性があります。

                  3.      残留農薬が心配。

                  外側の部分が残っているわけですし、

                  特に胚芽には脂溶性の成分が多く、脂溶性の有害物質がたまりやすいのではないかと思われます。

                   

                  残留農薬に関しては、無農薬栽培のものを使うことで解決できます。

                  食感とミネラルに関しては、発芽玄米とすることで解決できます。

                   

                  発芽玄米は、長期保存用の玄米から発芽のために様々な酵素が働きだし、すぐに使える形の栄養素に変換されています。これはつまり私たちにもすぐに使える形になっているということです。

                  フィチン酸も酵素で変換されミネラルの吸収も良くなりますし、ぬか部分の食物繊維も酵素で分解されるため、軟らかく、炊きやすく、おいしくなります。

                   

                  というわけで、家では発芽玄米を取り入れてはいるのですが、妻は子供のお弁当に全部発芽玄米のご飯を入れるのに抵抗があるようで、白米と市販の発芽玄米と半々で炊いています。

                   

                   

                  僕は自分用に無農薬の玄米を買ってきて、自分で発芽玄米を作ることにしました。

                  毎晩一合を適当な器に入れて軽く洗います。そして、お水をひたひたより少し多めに入れて待つだけです。

                  シンガポールは一年中暑いので普通に一日置いておくだけで発芽してきます。

                  日本では温度調節が必要かもしれません。

                  ただし、たまにお水を替えないと若いもろみ(お酒のもと)みたいな匂いがしてきます。雑菌もいるだろうしちょっと心配ですが、そこは自分の嗅覚と味覚で判断するようにしてます。

                   

                  というわけで、僕だけ主食は「生」発芽玄米にしました。

                  生でも玄米と比べたら格段に食べやすいし、生だと食べるのに時間がかかるのでたくさん食べる前におなかいっぱいになるし。

                  泡を出したり、発芽してくるお米を食べていると、自然に「命をいただかせて頂きます」という感謝の気持ちが出てきます。

                   

                  それに、なんとなく朝の目覚めも良くなっているし。

                  感染対策さえきちんとできるようになればおすすめだと思います。

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                  ローフード

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                      甲田先生の「生菜食療法」から、ローフードに興味を持ちポラン広場東京のイベント会場で買ってきた「ローフードアドバイザー公式マニュアル」なる本を読んでみました。

                     

                    内容は・・・微妙です。

                     

                    ローフードのメリットとして酵素の話が出てくるのですが、ホントに正しいのかどうか微妙だと思います。

                    10年くらい前に読んだエドワード・ハウエル博士の「キラーフード」という本で言っていた考え方と一緒だと思うのですが、「人間が一生のうちに作れる酵素の量は大体決まっていて、消化酵素に多くを使うと、代謝酵素が少なくなるから酵素を多く含んでいる生のものを食べましょう。」というのがメインの主張です。

                     

                    でも、酵素の量が決まっているかどうかなんてわかんないし、消化酵素を多くつくると代謝酵素が減るかどうかもわからない。

                    生で食品を食べたとして、強酸性の胃の中で酵素が失活せずにきちんと働くのだろうか?など、怪しい点がたくさんあります。

                     

                    でも、加熱調理することで多くの栄養素が壊れてしまうことも確かです。

                    (加熱調理したほうが吸収が良くなるものもありますが、多くは生の方がいいでしょう。)

                     

                    この本には出ていませんでしたが、加熱調理によりたんぱく質が変性してしまうと、体が食べ物を異物と認識して免疫が乱れるという説もあります。

                    こちらの方が科学的に矛盾がない。

                     

                    まぁ、はっきりはわからないけれども、おいしく食べやすくする以外に加熱する必要がない食材であれば生で食べる方が健康にはいいのではないかとは思います。

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