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プロフィール

こんにちはDr.Kwanです。 日本では某大学病院で消化器内科医として診療してきましたが、2010年よりシンガポールにて内科医をしていました。2013年より日本に帰国し、能登で半医半農生活を始めました。 以前から栄養に興味があっていろいろ学んできましたが、普段の食事が健康にとても大事なこと、私たちの食習慣が知らない間に不健康なものになってきていることに気付きました。 これから、栄養について究め、どんな食事を摂るべきかについて皆様に伝えることで、少しでも多くの人を健康にすることができれば・・・と思っています。

甲田光雄先生の少食健康法

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      今回は甲田光雄先生の「あなたの少食が世界を救う」という本を読みました。

    甲田先生は断食や少食療法で有名な先生です。

     

    この本には、少食にすることにより様々な病気が治る例がたくさん出てきます。生活習慣病には少食は良いのはわかります。

    アトピー性皮膚炎や関節リウマチ、気管支喘息などにも効果があるとのことです。これは少食にすることで活性酸素の産生が減るからかもしれません。

    確かに活性酸素はミトコンドリアで呼吸によってATPを産生する際に発生するものであり(他にもありますが一番多いのは呼吸だと思います)、摂取エネルギーを減らすことでATPの産生が低下すれば活性酸素は減りそうです。

     

    仙人食などという一日50kcalのみという極端な少食も紹介されていますが、これはにわかには信じがたい・・・

     

    そして、様々な病気の原因として宿便を挙げておられます。

    この宿便についてはちょっと異議があります。

    甲田先生は「胃腸の処理能力を超えて、負担をかけ続けた場合、腸管内に渋滞する排泄内容物を総称して宿便という。」とおっしゃっておられます。

     

    でも、僕が大腸カメラをする際、下剤を飲んでもらうとほとんどの人はおよそ半日で腸の中はきれいになります。ダブルバルーン小腸内視鏡でも宿便らしきものはあまり見かけません。

    だとすれば宿便の解消法は大腸カメラ用の下剤を飲めば良くなってしまいます。

     

    腸の粘膜はターンオーバーが速いので数日で入れ替わります。

    宿便排出後体調が良くなるということも考えると、次のような仮説は成り立たないでしょうか?

     

    脂溶性の有害物質の排泄経路は今まで肝臓から胆汁を通しての排泄が考えられてきましたが、脱落する腸粘膜の細胞内に有害物質を集め、それを脱落させ排出するのが宿便。

     

    まったく科学的根拠のない仮説ですが・・・

     

    断食や生菜食療法にもちょっと興味はありますが、まだまだ勉強不足です。

    とりあえず一回自分でやってみたい。

     

    次は断食とローフードの本を読んで見ます。

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    Max Gerson 「ガン食事療法全書」

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        以前からガンの食事療法にゲルソン療法がとても有名なのは知っていましたが、今回はじめて読むことができました。

       

      とにかく内容が深い。

      今の医学の常識では理解することはできないところがたくさんあります。

      しかし、ゲルソン先生の考え方には共感できるところがとても多いです。

       

      「土壌と土壌で生産される全ての食品素材は人間の外部代謝と呼ぶべき」など、人間は自然の一部であることを改めて思い出させてくれます。

       

      ゲルソン先生は「ガンは体の代謝が乱れた結果であり、全身病である。」と考え、食事による治療を開発されました。

      大量の野菜ジュースや塩抜きなどの食事により体の代謝機能を改善することで、体の自然治癒力を高め、ガンと闘っていきます。

       

      実際に多くの人がガンから回復しているようです。

       

      また、ガンにならないような食事を摂りたい場合にも大いに参考になるのではないかと思います。

       

      興味のある方は是非一度ご一読を。


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      シンガポールの食事

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          沖縄の食事に続いて、せっかく住んでるのでシンガポールの食事についても少しまとめておきたいと思います。

         

        シンガポールの食事の特徴はというと・・・

         

        1.      いろんな食文化がみられる。

        シンガポールには中華系、マレー系、インド系、日本人、韓国人、欧米人などいろいろな人たちが住んでおり、それぞれの料理を食べることができます。これは楽しくていいですね。

         

        2.      ホーカーで安く、気軽に食べられる。

        ホーカーという屋台の集まったものがあって、できたての料理を安く食べることができます。ですので、あまりお弁当というものを見かけません。

        また、シンガポールは共稼ぎの家庭が多いそうで、外食の機会が多いのだそうです。

         

        3.      甘いものが多い

        シンガポール人は甘いものが好きなようで、甘いものが多いです。

        コーヒーや紅茶も甘い練乳入りのものが多く、普通の緑茶にも砂糖が入っています。

         

        4.      果物が豊富

        沖縄よりもさらにバラエティーに富んだフルーツの品揃えです。

        ドリアン、マンゴスチン、ジャックフルーツ、ロンガン、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツ、スターフルーツ、マンゴー、パパイヤなど日本ではあまり見かけないものから、キウイ、バナナ、オレンジ、りんご、ブドウ、なし、アボカドなどおなじみのものまでいろんな種類の果物を楽しむことができます。

         

        5.      魚料理が少ない

        意外と魚の料理が少ないです。(日本が多すぎなだけかもしれませんが)

        魚料理で思いつくのはおかゆの具に魚が入っているもの、揚げた魚にあんかけをかけたもの、フィッシュヘッドカレーくらいです。

        でも、海老はいろんな料理に入っていますし、チリクラブはシンガポールの名物料理になっています。

         

        6.      ファーストフードが多い

        シンガポールに来てみてファーストフードのお店が多いことにも驚きました。

        マクドナルド、ケンタッキー、バーガーキングなどは良く見かけますし、モスバーガー、吉野家など日本のファーストフード店もあります。

        当然韓国のファーストフードチェーン店などもあります。

         

         

        というわけで、シンガポールで暮らす際に食事面で気をつけるべきことは、

         

        1.      油が多くなる。

        ホーカーなどでは安く食べられるのですが、安い油が多く使われています。トランス脂肪酸に対する対策はとられていないようです。強火で加熱したものも多く、酸化脂質の問題もあります。

        そして魚が少ないので、オメガ3系の多価不飽和脂肪酸が不足する恐れがあります。

         

        2.      砂糖が多くなる。

        シンガポールでは飲み物にも砂糖がたくさん入っていることが多いので、砂糖の取りすぎには注意が必要です。

         

        まぁ、先進国共通の問題です。

         

        シンガポールは1965年に建国された新しい国ですが、独立後急速に近代化されています。

        沖縄と同じようにシンガポールでもこれから生活習慣病がどんどん増えてくると思われます。

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        沖縄の食事

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          今、シンガポールの伊勢丹で沖縄フェアをしてます。
          うちの家族もみんなで行ってきました。
          子供達が大好きなジーマミ豆腐、海ブドウにもずく、マース(塩)、黒糖、本部牛などいろいろ買ってきました。

          こうやって見てみると、沖縄の食事もとても面白い。

          以前、沖縄旅行に行った時のことや、今まで読んだ本の情報からは、

          1. 豚肉をうまく調理して食べる
          豚肉を茹でこぼして、油を落として食べます。
          中味汁(沖縄に行くとまず食べたくなるのがこれです。)などの料理があり、内臓もしっかり食べます。

          2. 海藻を食べる習慣がある
          クーブイリチー(昆布炒め)、海ブドウ、アーサー(アオサ)、もずくなど海藻をたくさん食べます。

          3. 野菜をシッカリ食べる
          定番のゴーヤチャンプルーを始め、ナーベラー(ヘチマ)、パパイヤ(青いものを野菜として食べる)、島らっきょうなど、本土ではあまり見ないものから、なじみのある野菜まで色々食べられています。

          4. 豆腐をたくさん食べる
          チョット固めの島豆腐、おぼろ豆腐のようなゆし豆腐、豆腐を発酵させた豆腐ようなど色々な豆腐料理があり、たくさん食べられています。

          5. 果物が豊富
          マンゴー、パパイヤ、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツ、パイナップル、シークァーサーなどなど美味しいフルーツがたくさんあります。

          などの良さそうな食習慣があります。

          でも、アメリカ軍政下で広まったと思われる悪い食事もチラホラ見られます。
          ファーストフードのお店はたくさんありますし、ポークランチョンなどトランス脂肪酸が入っていそうな食べ物も広まっています。

          沖縄男性の平均寿命が下がったという記事を見たことがありますが、アメリカ軍政下の悪習慣の影響が今出てきているのかもしれませんね。
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          スーパーから納豆が消えた!

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            昨日スーパーの納豆がなくなっていました。
            シンガポールにも地震の影響が間接的ですが、及んできました。
            でも、被災地の方々に比べれば、、、

            我が家では、ほとんど毎日納豆を食べています。
            子供達も納豆が大好きです。

            納豆は大豆製品ですので、タンパク質を多く含んでおり、イソフラボンも多く含んでいます。イソフラボンは乳がんや子宮体癌のリスクを減らします。

            また、納豆キナーゼという酵素には血栓を防ぐ作用があり、脳梗塞や心筋梗塞、脳血管性痴呆などに予防効果がありそうです。

            我が家では、納豆に亜麻仁油をかけて食べているのですが、これはシンガポールでは貴重なオメガ3脂肪酸の供給源になります。

            一日も早く被災地の皆さまが元気を取り戻し、納豆が復活することをお祈りしております。
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            シンガポールの食事指針

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                最近うちの病院の1階にあるフードコートに「カロリーの低い食事を選ぼう」などと書かれたプレートがかかっています。

              何のキャンペーンだろう?と調べてみると、シンガポールHealth Promotion Board が食生活指針を発表していることを知りました。(プレートと関係あるかどうかはわかりませんが・・・)

               

              題して “Food-based Dietary Guidelines for Adult” です。

              http://www.hpb.gov.sg/foodforhealth/article.aspx?id=2758#

               

              ちょっと内容を見ていきましょう。(日本語訳は適当に省略してありますので悪しからず。)

               

              1.Enjoy a variety of food using the Healthy Diet Pyramid as a guide.

              (ヘルシー食品ピラミッドをガイドとして使っていろんな食品を楽しみましょう)

              フードピラミッドへのリンクが張られていますが、このピラミッドどこかで見たことがあるような・・・

              健康な食事の為のピラミッド

              アメリカ人のための食事指針のピラミッドのパクリですね。

              アメリカ食事指針ピラミッド

               

              2.Achieve and maintain body weight within the normal range

              (体重を正常域に入るようにして、維持しましょう)

              食事から摂るカロリーと運動して消費するカロリーのバランスに気をつけましょう。

               

              3.Eat sufficient amount of grains, especially whole grains.

              (十分な量の穀物、特に全粒穀物を摂りましょう)

              全粒穀物には食物繊維やビタミンB群が豊富な“ふすま”やビタミンEやファイトケミカルが豊富な“胚芽”が含まれています。全粒穀物を食べている人は心臓病や糖尿病、大腸がんや食道がんのリスクが低い。

              全粒穀物はダイエットを助けてくれるかもしれません。

               

              4.Eat more fruit and vegetables every day.

              (毎日もっと多くの果物や野菜を食べましょう。)

              2皿の果物と2皿の野菜を毎日食べましょう。イモ類は穀物のグループに、豆は肉類のグループに入れるので野菜には含みません。

              果物や野菜の多い食事は心疾患や脳梗塞を減らします。口腔、頭頸部ガン、食道、胃、肺などのガンから守ってくれますし、さらに体重を減らすのにも役立つかもしれません。


              5.hoose and  prepare food with less fat, especially saturated fat.

              (脂肪、特に飽和脂肪酸の少ない食べ物を選び、つくりましょう)

              脂肪は全カロリーの2530%にしましょう。飽和脂肪酸は10%以下にしましょう。飽和脂肪酸の摂りすぎは心疾患のリスクを上げます。

              脂肪の取りすぎは肺がん、乳がんと関連があります。


              5.Choose and prepare food with less salt and sauces.

              (塩分やソースが少ない食べ物を選び、つくりましょう)

              1日推奨摂取量は5gだが、シンガポールの平均的な成人は9gの塩を摂っています。

              塩分を減らすことでと血圧を下げる事ができます。

              塩漬けや干したもの、薫製などは胃がんや頭頸部ガンのリスクと関連があります。

               

              6.Choose beverages and foods with less sugar

              砂糖の少ない飲み物や食べ物を選びましょう)

              砂糖摂りすぎると太るし、他の栄養素に置き換えられてしまうかもしれません。

              砂糖によるエネルギーは食事全体の10%以下にしましょう。大体1日あたり砂糖40〜55gです。


              7.If you drink alcoholic beverages, do so in moderation.

              (お酒はほどほどに)

              アルコールを女性は1日20g、男性は1日30gまでにしましょう。

              多く摂っている人は、徐々に減らしましょう。

              程よい飲酒は中年男性を心疾患から守ってくれるかもしれない。でも過剰摂取は健康に悪いから、お酒を飲まない人は無理に飲み始めるべきじゃないですよ。


              内容までほとんど「アメリカ人のための食事指針」のパクリでした。

              シンガポールの食事内容はアメリカとは違うのだし、少しは独自色が出てもいいのにと思いますが、細かい事は気にしないところがシンガポールらしい。

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              腸内細菌

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                  私たちのおなかの中にはたくさんの細菌が住んでいます。500種類100兆個もの細菌が住んでいるといわれています。人間の体の細胞の数が60兆個といわれていますから、腸内細菌の方が数が多いくらいです。

                人間は腸内細菌と協力し合って生きています。人間は細菌に住みやすい環境を与え、栄養分を送ります。細菌は食物の消化・吸収を助けたり、免疫を刺激して強くしたり、腸内の酸性度を調節して腸の環境を整えたり、他の有害な細菌の侵入・増殖を抑制したり、人間に必要な栄養素を合成したりもしています。

                しかし500種類の菌の中には、良い細菌も悪い細菌もいます。善玉菌(乳酸菌など)は食物を発酵させ有機酸(乳酸や酪酸)を作って腸内環境を整えます。悪玉菌(ウェルシュ菌やブドウ球菌など)は、食物を腐敗させたり、毒素を作ったり、発がん性のある物質を作るなど、体に悪影響を及ぼします。また、非病原性大腸菌のように腸が健康なときには問題は起こさないものの、悪玉菌が増えると悪いことをする菌もいます。

                この細菌の組成(細菌叢)はかなり個人差が大きく、人によってかなり違います。それぞれの腸内細菌が激しい生存競争をしており均衡状態が保たれているのですが、食事や環境などで腸内細菌叢は変化します。

                それでは私たちにとって都合の良い腸内細菌叢を保つにはどうすればよいのでしょう?

                1.善玉菌を多く含む食物の摂取(プロバイオティクス)

                ヨーグルトやお漬物などの発酵食品を摂ることにより、直接善玉菌を腸内に取り入れます。死菌にも善玉菌増殖作用や免疫賦活作用があるようです。

                2.オリゴ糖や食物繊維の摂取(プレバイオティクス)

                オリゴ糖は善玉菌の栄養源になりますが、悪玉菌には使えません。

                食物繊維は便の性状を整え、酪酸菌などにより短鎖脂肪酸(酪酸など)となり、腸内を弱酸性に保つことで、他の細菌の増殖を抑え、腸の蠕動運動を正常化します。

                3.ストレスを溜めない。

                ストレスがかかると善玉菌が減り、悪玉菌が増えるという報告があります。過度のストレスは腸内細菌にとってもよくありません。

                などと言われていますが、まだまだわからないことだらけです。

                例えば、エスキモーは冬はアザラシなどの肉を食べ、ほとんど野菜を摂っていなかったそうですので食物線維は圧倒的に不足していたはずです。彼らや、肉食動物の腸内細菌はどうなっているのか?

                腸内細菌が消化・吸収にどうかかわっているか、腸内細菌が体に及ぼす影響など、ほとんどわかっていないに等しいと思われます。

                でも、これだけはわかります。「人間は自分だけで生きているわけではない」ということです。少なくとも腸内細菌の協力がなければ、健康に生きていくことはできません。

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                サプリメントアドバイザー

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                  先日、日本臨床栄養協会のサプリメントアドバイザーの受講申込をしました。(http://www.jcna.jp/

                   

                  厚生労働省は平成14年に

                  「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの陽性に関する基本的考え方について」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/03/tp0313-1.html

                  という文書を出しています。

                   

                  何やら新たな利権の香りも少ししますし、この講座で栄養学的に得られることはあまりないかもしれませんが、将来日本に帰国したらサプリメントも使うことになるだろうし、一応アドバイザリースタッフの資格の一つとしてサプリメントアドバイザーの資格を取っておこうと思います。

                   

                  今の自分と違う立場から栄養について勉強してみるのも面白そうですしね。

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