口の重要性
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- 2013.08.26 Monday
- 病気と栄養
- 22:08
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- by dr-kwan
医療費が年々上がっていき、医師不足が叫ばれるようになってきています。
私は、医師として働いていて、違和感を感じることがあります。
それは・・・
昔と今とでは、病気の原因が変わってきているのに、医学は十分対応できてはいないのではないか?
ということです。
1900年の死因の上位は、
1.肺炎・気管支炎
2.全結核
3.脳血管疾患
4.胃腸炎
5.老衰
ですが、
2000年の死因上位は、
1.悪性新生物(がん)
2.心疾患
3.脳血管疾患
4.肺炎
5.不慮の事故
です。
1900年ごろは、死因の多くが感染症でした。
その後、いろいろな抗生剤が開発され、栄養状態も良くなって、感染症で死ぬことは少なくなりました。
しかし、2000年には、感染症は少なくなったものの、がんや心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病が死因の多くを占めるようになってきています。
最近では、抗がん剤や生活習慣病のさまざまなお薬がありますが、あまり根本的に治る人はいません。
私は、生活習慣病の原因は、本来あるべき自然な生き方から外れてしまうことなのではないかと考えています。
食事の変化、
過大なストレス、
有害物質の影響、
身体の使い方が間違っている、
などなど
もし、生活習慣病の原因が、本来あるべき自然な姿から外れてしまうことだとすれば、ここを正さない限り、いくらお薬を飲んだって良くなるわけがありません。
そろそろ、医学もこういうところに目を向けるべきなのではないかと思うのですが・・・
食べ物の材料になる他の生物や土壌、空気、水、エネルギーについて学ばないのはおかしい!!
そして、調べてみると土壌の中の微生物のことなどは、意外とわかっていないことだらけなのです。
栄養学にしても、医学にしても、人間の自分勝手な視点からしか見れていないのが問題なのではないかと思います。
人間は多くの生物の活動に支えられてはじめて生きてゆくことができます。これは、私たちの体をつくっている成分がどのように循環しているのかを辿っていくだけでもわかります。
それなのに、私たちは病気について狭い視点でしか見ていないのではないかと思うのです。
とりあえず、私たちの体が作られる材料がどのようにできていて、どこかに問題がないだろうか?と考える視点はないのです。
だから原因がわからない病気が出てくる。
医学には、「私達人間を支えてくれている生態系ごと健康にする」という視点が必要なのではないかと思うのです。
生化学や生理学で少し栄養に関連したことは習いますが、系統立てて栄養学を学ぶ機会はありません。
いや、学生の頃はあまりマジメとは言えなかったので、他の教科もろくに勉強はしてなかったけど・・・
でも、まじめな人ほど学んだことに疑問を持たずに鵜呑みにしてしまうんだと思います。
僕は疑い深い性格なので、「体の材料になる栄養について考えていないのはおかしい!!」と、考えてしまいます。
そこで、今ごろになって独学で栄養についていろいろ調べている訳です。
いろいろ調べてみると、今の経済的に豊かな国の食事はたいてい、ミネラルやビタミンが不足していて、エネルギーが過剰で、有害物質にさらされるリスクが高くなっていると思います。
ということは、それぞれに対応した病気があるんじゃないか?という気がします。
エネルギー過剰では、糖尿病や脂質異常症など実際にある訳ですし、和歌山県の牟婁地方ではミネラルのアンバランスからALSの発症が明らかに多かったようですし、セレン欠乏による克山病という病気があります。
でも、実際にはよく解っていないものの方が多いのではないかと思います。
こういう視点から、病気について見直してみても良いんじゃないかなぁと思うのです。
特に先進国で増加傾向にあり、根本的な原因がよくわかっていない病気については・・・
そして、病態がわかれば、適切な栄養や有害物質の除去などで治療できる可能性があるのではないかと思うのです。