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プロフィール

こんにちはDr.Kwanです。 日本では某大学病院で消化器内科医として診療してきましたが、2010年よりシンガポールにて内科医をしていました。2013年より日本に帰国し、能登で半医半農生活を始めました。 以前から栄養に興味があっていろいろ学んできましたが、普段の食事が健康にとても大事なこと、私たちの食習慣が知らない間に不健康なものになってきていることに気付きました。 これから、栄養について究め、どんな食事を摂るべきかについて皆様に伝えることで、少しでも多くの人を健康にすることができれば・・・と思っています。

フォークス・オーバー・ナイブス

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    先日めぐみ農場の菜の花祭りに行った際に、イベントの一つとして「フォークス・オーバー・ナイブス」という映画の試写会をやっていたので参加してきました。

    この映画は、以前読んだことのある「China Study」のコリン・キャンベル博士と「心臓病は食生活で治る」のエセルスティン博士の主張する、プラントベースのホールフードを薦める映画です。

    この映画では、ビーガン食(動物性食品を一切摂らない)を薦めているのですが、個人的には動物性食品を排除するのも少し違うかなぁと思っています。

    腸内細菌も、悪玉菌がいないと私たちの免疫がうまく働かないように、
    寺田本家の先代当主寺田啓佐さんが、「火落ち菌というお酒をダメにしてしまう菌こそが、「百薬の長」を醸すために大切な役割を果たしている。」と、仰っていたように、
    動物性食品にも何か役割があり、排除する必要はあまりないのではないかと、感覚的には思うのですが、科学的な根拠はありません。

    China Studyでは、動物性タンパク質がガンなど様々な病気のリスクを増大させるという疫学的な根拠が示されています。
    ですので、動物性たんぱく質の摂り過ぎは問題かなぁと思うのですが、排除するのもちょっと違うんじゃないかなぁと思うのです。

    皆さんはどう思われますか?
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    味覚

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      味覚ってとっても大切な感覚だと思います。
      自然界の動物達は、身体が何を必要としているかを判断して食べています。そうして健康を保っています。

      本来自然の食べ物は、それぞれ本来の味を持っています。
      そして、自然界の動物達は主にその味で自分にとって必要なモノを見分けているのだと思います。

      私たちも疲れると甘いものが食べたくなったり、お腹を壊すと食欲が無くなったり、治ってくるとお腹が自然に空いてきます。

      しかし、今の私たちの食事には、不自然な味のものがたくさんあります。
      やたらと塩辛いもの、甘いもの、食品添加物でつけられた濃い味、など不自然な味に、知らない間に慣れてしまっていないでしょうか?

      普段から不自然な味付けの食べ物を食べていると、自分の身体が必要としているものを見分ける感覚が狂ってしまいます。
      感覚が狂うと、自ら偏った食事を好むようになってしまいます。

      不自然な味付けも肥満や生活習慣病の大きな原因になっているのではないでしょうか。

      味覚を正常に保つためには、できるだけ食材本来の味を生かした料理を作ることが大切なのではないかと思います。
      日本に帰ったら、能登の自然な味を生かした料理を作れるように頑張ります。
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      食べ物の精製

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        食事の問題で、何が一番大きい問題かを考えると、「精製」という物がとても大きな影響を与えているのではないかと思います。

        考えてみると、私たちのまわりには精製された食べ物があふれています。

        お砂糖も精製されていますし、清涼飲料水に使われている果糖・ブドウ糖液糖も精製の最たるものです。
        油だって、穀物や種子類やオリーブやアボカドなどの油の多い果実を搾って油だけを取り出したものです。

        別にお砂糖や果糖ブドウ糖液糖を摂らなくても、全粒穀物を食べれば全く困りませんし、油だって原料の全粒穀物や種子類、オリーブなどを食べていれば、十分脂肪も摂ることができます。

        お米もせっかく稲が作ってくれた栄養素を削ぎ落して、白米にして食べている人が多いです。
        でも、よく考えるともったいない話ですよね。

        こうして、精製されたものが増えると、エネルギー過剰になります。そのために生活習慣病になる人がどれだけ多いことか・・・
        病院に行けばお薬が出るわけですが、エネルギー過剰が原因なのにお薬を飲んだって治る訳がありません。

        なるべく「精製」していないものを食べるということはかなり大切なのではないかと考えています。

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        Down to Earth 食育セミナー
        日時:2013310日(日)13:30〜
        会場:Draycott Gallery
        50 Draycott Park #09-03 Tge Draycott, Singapore 259396  
        費用:50ドル(GST込み)
        全席自由席、講演は日本語のみ
        主催:H SEEDS          お問い合わせ&ご予約:hseeds@live.jp

        ***************************
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        土壌の肥沃度と健康

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          先日「Soil fertility and animal health」というe-bookをダウンロードしました。

          http://www.soilandhealth.org/01aglibrary/010141.soil.fertility.animal.health/010146.albrecht.animal.health.pdf

          僕の英語力では速読できないので、さっと話の流れを確認した程度なのですが、土壌の肥沃度と植物や動物の健康が密接に関連しているというお話です。

          私たち人間は、食べ物を輸送することができるようになったので、「自分が食べている作物が育った土壌の肥沃度と健康が関連する。」ということになるのかもしれません。

          ここで、ふと思い出したのが、以前読んだ本の中にあった「長寿の地域の水は、硬水が多い」ということです。
          調べてみると、ビルカバンバという南アメリカの有名な長寿村や、日本一長寿の村である沖縄県の大宜味村の水は、どちらも硬度が200位の中硬水でした。

          このときは、中硬水が身体に良いのではないかと思ったのですが、今回のe-bookを読んでちょっと考えが変わりました。

          ミネラルが豊富な肥沃な土地で育った作物を食べている人は、健康で長生きできる。
          そして、ミネラルが豊富な肥沃な土地に流れる水は、ミネラルが豊富な硬水になることが多い。
          と、いうことではないかと思いました。

          つまり、健康で長生きするためには、きちんとミネラルを摂ることが必要で、そのためには肥沃な土地が必要だということです。

          まだまだ、自分の中での仮説の段階ですが・・・
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          自然の摂理

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            以前同僚のDr.に「健康になるために努力しなきゃいけないなんておかしくないでしょうか?」と、言われたことがあります。
            私は「それだけ今の社会が自然から外れてしまっているということです。」と答えました。

            今まで、栄養について色々考えてきて思うのは、食事も自然の摂理から大きく外れてしまっているということです。

            例えば、食パンについて見てみても、小麦は遺伝子組み換えのものも多くなり、農薬や肥料を使って育てられます。
            そして、収穫された小麦は精製され、せっかく小麦が作ってくれたビタミンやミネラルの多くが捨てられてしまいます。
            そして、食品添加物を加え、焼くことによりただでさえ少ないビタミンはさらに破壊されます。

            こう考えてみると、普段当たり前だと思って食べているものが、いかに自然の摂理から外れているかがわかると思います。

            つまり、今の社会が自然の摂理から外れているにもかかわらず、それを普通だと思ってしまっているところが問題だと思うのです。
            そして、この問題こそが健康を害する大きな原因になっているのではないかと思います。
            ですので、健康に生きるためには、自分の間違った思い込みを正して、自然の摂理に従って生きる努力をすることが必要なのではないか?と、思うのです。

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            Down to Earth 食育セミナー
            チケットはブックマートセントラル店
            (MRTクラークキー駅直結セントラル2F)にて好評発売中!!

            日時:2012年10月21日(日)9:30〜12:30 開場 9:15
            会場:シンガポール日本人会 ファンクションルーム
            費用:50ドル(GST込み)
            全席自由席、講演は日本語のみ、チケット前売のみ(当日券はありません)
            チケット取扱店:ブックマート・シンガポール・セントラル店(MRTクラークキー駅ビル)
            主催:H SEEDS          お問い合わせ&ご予約:hseeds@live.jp
            Facebook Page:
            http://www.facebook.com/hseeds.harumi
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            変化と多様性

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              先週はシンガポールで映画「降りてゆく生き方」の上映がありました。映画のプロデューサーの方が、多様性が大切だと仰っておられました。

              生物にとっても多様性はとても大切だと思います。

              ブッダもこの世は無常であると仰っておられますが、私達のまわりの環境は常に変化しています。
              そして、この変化に対応するために、自然が多様性を選んだことは必然だったのではないかと思います。

              私達人間も多様性を持っています。
              たくさんの代謝経路を持っていて、外界に変化が起こったり、体の一部が悪くなっても、何かしら対応する機能を持っています。
              共生している細菌達も多様性を持っていますし、それぞれが持っている遺伝子だって多様です。
              多様性を持つことによって、様々な変化に対応し、自分自身への影響を緩衝することができているのだと思います。

              でも、私達人間は今の自分の都合だけからみた浅はかな視点から、必要な物と必要でないもの、役に立つものと役に立たないものを区別し、要らないように見えるものを切り捨ててきたように思います。

              そうすると、多様性がなくなり、変化に対応しにくくなってしまいます。

              しかも、要らないように見えるものを切り捨てること自体が変化となって、私達人間に跳ね返ってきます。

              こうして、環境の変化に対応できなくなって病気になる人が増えているのだと思います。こうした病気は感染症など原因がはっきりした病気とは原因が違うのです。

              環境の変化による病気は、環境を変えること、または、環境の変化に上手く適応することでしか治すことができないでしょう。

              しかし、今の医学は栄養のことも、環境のことにも目を向けようとはしません。
              もっと幅広い視野で病気と向き合わなければ、病気に対応できない時代に入ってきているのではないかと思います。
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              エネルギー

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                いきなりですが・・・
                高すぎるエネルギーは、まわりのものを破壊していきます。

                原子力エネルギーもそうですし、
                火や雷など、エネルギーが高いものは基本的に危ないのです。

                お金だってありすぎると、破滅への道を歩む人がたくさんいます。

                人間には高いエネルギーを支配することに喜びを感じる傾向があるような気がするのですが、コントロールしきれなくて、結局そのエネルギーに害されてしまうことが多いのではないかと思います。

                人間の体もエネルギーを摂りすぎると、ゆっくりゆっくり壊されていくのではないかと思います。この破壊の進行は老化として現れてきます。

                しかし、人間は食事からエネルギーを摂らなければ生きてゆくことはできません。
                人間がエネルギー源として使うのは、主に炭水化物や脂質です。
                ですので、炭水化物や脂質は必要最小限にするということが老化の進行を食い止めるためには必要なのではないかと思います。

                しかし、食事にはエネルギー補給の他に、私達の材料の補給という意味もあります。
                ですので、「いかにキチンと材料を補給しながら、必要最低限のエネルギーで済ませるか」が大切になってくる気がします。

                なかなか難しいなぁ・・・
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                発酵

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                    日本帰国時に「寺田本家」という酒蔵にお邪魔しました。

                  ここは、昔ながらの方法でお酒をつくっているところです。

                   

                  日本酒はお米の中のでんぷんを麹がブドウ糖にして、さらにそのブドウ糖を酵母がアルコールにすることでできていきます。

                  この酵母が活躍する場を作るために乳酸菌が必要になったりするのですが、最近のお酒は人工的に乳酸を添加したり、酵母も人工培養したものを使ったりしています。

                   

                  「寺田本家」では、麹も自社の田んぼの稲穂についた稲麹菌を自家培養して使っているそうですし、乳酸菌も酵母も蔵に住み着いているものを使っています。

                  微生物の働きを肌で感じながら働く、発酵のスペシャリスト集団なのです。

                   

                  御当主の寺田啓佐さんにお話を伺うことができて、いろいろと教えていただきました。

                  なにより、凛として生命力を感じる雰囲気と蔵人たちの活気がミックスされて、とても心地よいところでした。

                   

                  さて、食品の加工について調べてみると、たいていの加工は栄養的に見て良くない方向に行くことが多いのですが、発酵は体にとってメリットの多い加工です。

                  お酒もそうですし、納豆もそうですし、味噌やしょうゆ、お漬物、酢など日本には発酵食品がたくさんあります。

                   

                  発酵とは私たちを支えてくれている微生物の活動をうまく利用することなんだと思います。

                  その先人たちの知恵を絶やさないように大切にしていきたいですね。

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                  地中生命の驚異

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                    「地中生命の驚異」という本を読みました。

                    この本を読んでわかったことは、「土の中の生態系についてはよくわかってないことが多い」ということです。

                     

                    摂氏100度を超える高温の環境で生きる細菌や、太陽の光が届かない地中奥深くで無機物質からエネルギーを取り出している細菌もいるそうですが、こういうことがわかってきたのもここ10年〜20年くらいの話らしいので、地中の生命に関してはまだまだわからないことが多いみたいです。

                     

                    窒素の固定(窒素を植物が使える硝酸態にすること)をしてくれる細菌たちがいるように、土壌中のミネラルなどを私たちが使いやすい形にしてくれる微生物がいるのではないか?と思っていたのですが、やっぱりいるに違いないという気がしてきました。

                     

                    土の中には様々な種類の生物がいて、それぞれが生態系の中で何らかの役割を演じているのだと思います。そしてその生物の活動に支えられて私達人間も生きてきたのです。

                    ですので、農薬などでその生態系を壊してしまえば、たとえ農薬の直接の被害はなくても、当然影響が出ると考えるのが自然だと思います。

                     

                    人間が生態系を完全に把握して、完全にコントロールできるというのならいいかもしれませんが、私たちは地中にどんな生物がいるのかについてもあまり把握できていないのです。

                     

                    たぶん、生態系が急激に変化して人間がその変化に適応できなければ、人間は廃れていくでしょう。そして、その環境に適応した生物が出てくるに違いないのです。

                    適応する能力に関して言えば、分単位で世代交代する細菌のほうが人間よりも高いに決まっています。

                    わざわざ、自ら生態系を変化させるようなことをしなくてもいいんじゃないか?と思うのですが・・・



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                    窒素について

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                      私たちは生きるためにタンパク質を必要としています。

                       

                      タンパク質はアミノ酸がたくさんつながったものです。

                      そして、アミノ酸の特徴はというと・・・

                      アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が、くっついていることです。

                      このアミノ基には窒素(N)が含まれています。

                       

                      今回はこの窒素について考えてみましょう。

                       

                      空気の78%は窒素ですから、空気中にはたくさんの窒素があります。

                      また、地殻の中にもたくさんの窒素があります。

                       

                      しかし、私たちはこの窒素からアミノ酸を合成することはできません。

                      そこで、私たちは食べ物からアミノ酸を摂っています。

                       

                      エネルギーは植物が太陽の光を化学エネルギーに変換してくれたものを使っていましたが、植物も窒素を直接使うことはできません。

                       

                      では、誰が窒素を使える形にしてくれているのでしょう?

                       

                      実は細菌の中に窒素固定菌というヤツがいて、空気中の窒素を植物が使える形にしてくれています。

                       

                      植物の中にはこういう細菌と共生するものもあります。

                      マメ科の植物が有名で、根粒菌という菌を根(根粒)に飼っており、栄養分を提供する代わりに窒素化合物をつくってもらっています。

                       

                      私たちが生きていくためには、太陽や植物だけでなく、細菌も必要だったのです。

                       

                      人間の腸内細菌の中にも窒素を使えるやつがいて、パプアの人達(だったと思うのですが・・・)はイモしか食べないのに、この菌がタンパク質を作ってくれるおかげで、筋骨隆々になっていた。という話を大学生のときに読んだことがあります。(うろ覚えです。すみません。)

                      意外と私たちの腸内細菌の中にもタンパク質を作ってくれるヤツがいるのかもしれません。

                       

                      自然界ではこうして窒素は利用されてきたのですが、これを工業的に行ったのが化学肥料というわけです。

                       

                      今では莫大な量の化学肥料が使われており、その影響が懸念されているようです。

                      どのような影響があるのかについては、これから勉強していきたいと思います。

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